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離婚コラム

離婚訴訟は、夫婦いずれかの住所を管轄する家庭裁判所が担当します。したがって、夫が妻に離婚訴訟を提起したいという場合、夫は自分の住む県にある家庭裁判所に離婚訴訟を提起すればよく、わざわざ妻の住む県にある家庭裁判所に提起する必要はありません。しかし、実際に離婚訴訟が提起された裁判所で審理を進めるのは不都合だというときには事件を別の裁判所に移すこともできる、という制度が法律で定められています。これを移送といいます。

移送って?

事件をある裁判所から別の裁判所に移すことです。典型的には、妻Aが「夫Bから、Bの住むX県にあるX家庭裁判所に離婚訴訟を提起されてしまった。そこは遠くて多額の交通費もかかるので、自分の住むY県にあるY家庭裁判所で事件を取り扱ってほしい」という場合に、Aさんとしては、X家庭裁判所に「移送申立て」を行うことを検討することになります。移送申立てを受けたX裁判所は、当然ながらAさんの都合だけを考えてY家庭裁判所に移送すると決めるわけではありません。法律上、どのような場合に移送ができるのかが定められていますので、それに従って判断がなされます。

移送が認められる場合は?

家庭裁判所は、提起された訴訟がその家裁の管轄に属する場合であっても、「当事者及び尋問を受けるべき証人の住所その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るために必要があると認めるとき」は、その訴訟を他の管轄裁判所に移送することができます(人事訴訟法7条)。

上の例でいえば、「Bは(管轄のある)X家裁に離婚訴訟を提起しているが、それでもX家裁は、その事件をY家裁に移送することも可能である。ただし、①訴訟の著しい遅滞を避けるため、あるいは②当事者間の衡平を図るため、必要があるとX家裁が認めるときに限られる」ということです。したがって、移送を認めてもらいたいAとしては、①あるいは②の必要性について、X裁判所に説明し説得しなければなりません。

なお、AB間に未成年の子Cがいる場合、移送を認めるかどうかを判断するにあたっては、Cの住所を考慮しなければならないという規定が別途定められています(親権争いで家裁調査官がCの状況を調査する可能性があるからです)。もっとも、この規定は「CがAとともにY県に住んでいる場合には、Y家裁への移送が必ず認められる」という意味ではありません。Cの住所がY県にあることは、あくまで一つの事情として考慮されるにすぎません。裁判例でも、未成年者を連れて一方的に別居した妻による移送申立て(夫が静岡家裁浜松支部に離婚訴訟を提起、妻は東京家裁への移送を申し立てた)を却下したものがあります(東京高裁平成17年12月9日決定)。

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