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離婚コラム

はじめに

文字どおり婚姻する意思のことです。憲法が「婚姻は両性の合意のみに基いて成立」すると定めているように、婚姻成立のための中心的要件です(憲法24条1項)。民法も、当事者間に婚姻をする意思がないときは、婚姻は無効となると定めています(民法742条1号)。

最高裁昭和44年10月31日判決

上記のとおり、婚姻をする意思がないときは婚姻が無効となりますが、それでは「婚姻をする意思がないとき」にあたるのはどういう場合なのでしょうか。この問題点について、最高裁は次のように述べました。

「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがつてたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであつて、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じない」(最高裁昭和44年10月31日判決)

つまり最高裁の立場からすれば、婚姻意思とは、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する意思である、ということになります。逆に言えば、婚姻届を出す意思さえあれば婚姻意思があるとは考えられていません。

最高裁昭和44年4月3日判決

婚姻意思はいつの時点で存在しないといけないかという問題点について、最高裁は次のように述べています。

「本件婚姻届が・・・意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同人と上告人との間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである」(最高裁昭和44年4月3日判決)

これを端的に言えば、婚姻届が受理される時に婚姻意思が存在しないといけないが、逆に言えばそれで十分だ、というものだと理解されています。

婚姻意思がなく無効とされる場合

上記最高裁の立場を前提にすれば、例えば次のような場合には、婚姻意思がなく婚姻は無効となります。ただし、無効でも戸籍の訂正には裁判所の手続きが必要です。

  • 一方に婚姻意思がないのに、他方が勝手に婚姻届を出した場合
  • 戸籍上の夫婦になろうとする意思が合致していても、他の目的のためのいわゆる偽装結婚にすぎず、社会観念上夫婦とみられる関係になろうという意思がない場合
  • 婚姻届に記入したが、受理される前に婚姻意思を撤回した場合

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