離婚・男女問題にお困りなら

エトワール法律事務所 離婚

新宿駅より徒歩7分、代々木駅より徒歩4分

離婚コラム

はじめに

妻からのモラハラに悩む夫からのご相談が最近増えています。「どこからをモラハラと言うのか?」はさて置くとして、「妻の態度を今まで我慢してきたが、もう耐えられない」ということで離婚を希望される男性は非常に多いです。このコラムでは、モラハラ妻と離婚したいとき、どのような点に気を付けて手続きを進めていけばよいのかを解説しています。

モラハラとは?

法律上の用語ではありませんが、配偶者からのいじめ、精神的嫌がらせ、言葉の暴力といったものを一言でモラハラ(モラルハラスメント)と表現されているようです。具体的には、自分の規範(=ルール)を夫だけではなく第三者からみても理不尽に押し付けてくる、人格を否定してモノ扱いする、自分の支配下に置くような態度をとる、などが共通したエピソードとして語られます。

では具体的にどこからがモラハラになるの?というご質問を受けることがありますが、離婚手続きの場面に限定すれば、そのことを突き詰めて考えてもほとんど意味はありません。モラハラになろうとそうでなかろうと、多くの場合には性格の不一致の問題として扱われます。

妻からのモラハラについての相談例

どんな仕打ちを受けている?

妻のモラハラを訴えるご相談では、次のような切実な声がありました。

  1. 家では粗大ゴミ扱い。妻と娘が一緒になってバイキン扱いしてくる
  2. 収入を前夫(元カレ)と事あるごとに比較され、ダメな夫だと言われ続けている
  3. すぐにヒステリーを起こしてマシンガンのように罵詈雑言を投げつけてきて、まともに話もできない
  4. 毎月の面会交流の度に2万円以上するお土産を持ってこいと要求され、断ると子どもに会わせないと言われる…など

こうした妻の態度に心を痛め、心療内科に通っている方も少なくありません。来る日も来る日もこんな状況では、離婚したくなるのも当然ですね。

妻からのモラハラに悩む夫が離婚で気を付けること

モラハラ妻と離婚したいとき、最も重要なことは離婚への強い意思を持つことです。妻のモラハラ自体を責めたり仕返ししたりすることよりも、早期に離婚を成立させさっさと縁を切ることを優先すべきです。そのための代償が大きくなることもありえますが、そこで躊躇していては同じ毎日の繰り返しになってしまいます。

①:離婚への強い意思

モラハラを行う妻と長く一緒に暮らしていると、離婚を思い立っても「もう少し我慢しようか…」と自分を押し殺してしまうことも多いようです。もちろんあなたが我慢したり自身の行動を変えたりすることで、妻の態度が変わることもあるでしょう。しかし、それを見極めるタイムリミットを心の中で設けておくべきです。

離婚へ強い意思を持つということは、離婚を最優先にして動く覚悟をすることでもあります。妻からのモラハラで人格を否定され続けている方ならすでにその覚悟はできていることかとは思いますが、非常に重要なことですので、改めて述べた次第です。

②:モラハラが離婚原因になることは少ないです。

裁判離婚を認めてもらう要件を離婚原因といいます。しかし、モラハラが離婚原因になることはまずない、というくらいに思っておいてください(もちろんケースバイケースではありますが)。いわゆる性格の不一致の一類型、という感じです。

離婚原因がなくても話し合い(=協議・調停)さえまとまれば離婚できます。そのため、交渉術を駆使しつつ妻が離婚に応じるよう仕向けていくことが重要です。すぐに考え付くのはお金を積むということですが、それ以外にも使えそうなネタは色々考えられます。それぞれの夫婦の置かれた状況によって、何を材料にできるかは異なってきます。

③:妻と別れるための代償が大きくなるかも…

もし妻に離婚原因があれば、妻が拒否しても裁判で離婚できます。しかし離婚原因がなければ、妻に離婚に応じてもらう必要があります。応じてもらうためにそれなりの額を支払う必要があるかもしれません。また、長期の別居は離婚原因になりますし、別居の結果妻のほうも離婚したくなるかもしれません。が、別居後に婚姻費用を請求されて重い負担が長期間発生する可能性もあります。ごく単純に考えても、別居するための住居費が余計にかかります。

妻と別れたいと切に願っていても、この代償を恐れて離婚に踏み切れない方は多いです。離婚への強い意思が必要だと①で述べましたが、それがなければどうしても挫折してしまうのです。しかし、離婚しない限りあなたの人格がモラハラ妻によって踏みにじられ続けてしまうということを、よく考えるべきでしょう。

④:モラハラの証拠集め

妻のモラハラの証拠を集めておけば、話し合いなどでも有効に活用できます。あなたの前では高圧的でも調停委員の前では淑女、というのはごく普通のことです。それでも、証拠を整えておけば妻の裏の顔を明らかにできます。もちろん、モラハラ行為の程度が酷く、その期間が長く続いていることを示せるだけの内容があれば、それだけ証拠の価値も増すことになります。「激しい言葉があったが、夫婦喧嘩の一環で、一過性のものだった」と見られそうな程度だと、価値はあまりありません。

参照:調停委員との接し方

⑤:その場をしのぐための約束をしない

モラハラをする妻に離婚したいと切り出したときに、例えば「慰謝料代わりにとりあえず車を渡せ」「両親を近くに呼びたいので、あなたの名前で家を借りてほしい」などと色々な要求を突きつけられることがあります。こういう要求に応じることで気持ちよく離婚してくれるのならいいですが、多くの場合、離婚してくれることはなく約束だけが残ってしまいます。こうなると非常に厄介ですので、妻とは下手に約束しないことです。どうしても約束せざるを得ないと思うのなら、それが相場に照らして妥当かどうかをよく検討してからにすべきです。どんな要求であれ、要求するのは妻の勝手です。しかしそれに応じる義務など全くない、ということも非常に多いのです。あなた一人ではどうしても妻に押し切られるという場合は、早期に弁護士を入れて対抗することをお勧めします。

まとめ

妻と性格が合わないのはよくあることです。しかし、その状態が行き過ぎて、妻があなたを人格的に貶めてくる、一人の人間として尊重しないという程度にまで至っており、改善する見込みもなさそうなら、単に「よくあること」で済ませるわけにはいきません。モラハラになるのはどこからか?というのはさておき、まずはあなたが妻の言動で傷つき、共同生活を続けていけないくらい精神的に参ってしまっているという事実を見過ごさないでください。そのような妻と結婚生活を続けても一方的にあなたが不幸になるだけかもしれません。妻のモラハラ行為の証拠を集めつつ、あなたが努力しても状況が改善されないのなら、強い意思を持って離婚手続きを進めていくだけの理由は十分あるといえるでしょう。大きな痛みを伴う可能性はありますが、それを恐れて人格を否定され続けてしまうのでは本末転倒です。

モラハラを行う妻との離婚をあなたが決意したのであれば、経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。離婚事件の経験が少ない弁護士だと、「夫がモラハラの被害者になるなんてありえない」と考えていることすらあるようです。モラハラを行う妻との離婚問題についての解決事例も当サイトに載せておりますので、そちらもご参照ください。

参照:モラハラ妻との早期離婚を成立させた事例

お問い合わせ

TOP